松本清張_波の塔

題名 波の塔
読み ナミノトウ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 18 波の塔【蔵書No0099】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/01/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「女性自身」
作品発表 年月日 1959年(昭和34年)5月号〜7月号
コードNo 19590500-19590700
書き出し 最初の日は名古屋に泊まった。次の晩には、木曾の福島に泊まった。最後が上諏訪であった。諏訪では、窓からヒマラヤ杉越しに湖面の見えるホテルに泊まった。中央沿線を一度ゆっくりひとりで歩いてみたいというのが、田沢輪香子の希望だった。女子大を卒業して、すぐにもと思ったが、父も母も容易に賛成せず、また、卒業生同士の会合がつづいたりして実現しなかった。「ひとりで?」父は、はじめ聞いたとき渋い顔をした。「若い娘が。ひとりで行くのは困るな」父は、ある官庁の局長をしていた。夜がおそいので、朝早く相談するほかなかったが、それも役所からの車が迎えにきて、待たせているような忙しい時間のときが多かった。「お母様はどう言ってる。?」父は、母からとうに話を聞いているのに、そう言うのが癖だった。毎晩、外でおそくなるので、一応は家の中で母をたてていた。「お父さまさえ、よろしかったらって」輪香子が答えると、「そうか、考えとく」
作品分類 小説(長編) 404P×1000=404000
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