松本清張_連環

題名 連環
読み レンカン
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 12 連環・彩霧【蔵書No0090】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/03/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「日本」
作品発表 年月日 1961年(昭和36年)1月号〜1962年(昭和37年)10月号(全集では8月号、全集の間違い?)
コードNo 19610100-19621000
書き出し 笹井誠一が南栄堂という印刷所に勤めてから、一年近くなる。南栄堂は、九州の北部でも大きな印刷所だった。活版機械は二十台ぐらいある。ほかに半截のオフセットを二台持っていた。笹井誠一が九州くんだりまで流れて来たのは、東京で失敗したからだ。大学を卒業して、ある会社に就職したが、それから三年後に、少しばかり金の使い込みをした。それがばれて馘首になり、行くところがなくて、S市にいる学校友だちの池野を訪ねて来たのだった。筒井は、母が苦労した末に、ようやく、大学を出してもらったのだが、就職して二年目に、そのおふくろが死んだ。貧乏な最中にやっとおふくろの働きでもててきたのだから、筒井には一文の金もなかった。会社の金を使い込んだのも、いわばその不自由さからである。
作品分類 小説(長編) 291P×1000=291000
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