題名 | 野盗伝奇 | |
読み | ヤトウデンキ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 野盗伝奇■【蔵書No0078】 | |
出版社 | (株)光風社書店 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1975/12/05●初版 | |
価格 | 680 | |
発表雑誌/発表場所 | 「西日本スポーツ」 | |
作品発表 年月日 | 1956年(昭和31年)5月16日〜9月9日 | |
コードNo | 19560516-19560909 | |
書き出し | 秋月伊助の言葉で四人いた同輩が四人とも、顔色を変えて彼の方を睨みつけた。「秋月。何と申した。よもやこの場の座興ではあるまいな。座興でなくばもう一度申してみよ」そのなかの年がさの一人が、みなの気持ちを代表するように眼かどを尖らせて言った。「おう、言うてやる。ご家老の娘御はわしが貰いうける。それだけの働きをわしはする。こう申したのじゃ。貴公らも聾であるまいから三度は言わぬ。秋月伊助はそう言うと、細く鼻筋の通った白い顔に、うすく笑うような蔑みの色を友だちに見せた。「聞いた。たしかにこの耳に聞いた」朋輩も負けずにせせら笑いをうかべて言い返した。「御家老千野兵部殿の息女美世殿は為賀又五郎に縁づくとの噂がある。又五郎の父御の源兵衛殿も当藩の重職じゃ。おぬしが美世殿になんぼ横恋慕したとて歯の立つことではないわ」それには伊助は、かたちのいい鼻を、ふんと鳴らしただけだった。 | |
作品分類 | 小説(長編・時代) | 260P×550=143000 |
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