題名 | 草の陰刻 | |
読み | クサノインコク | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 松本清張全集 8 草の陰刻■【蔵書No0065】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1972/05/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「読売新聞」 | |
作品発表 年月日 | 1964年(昭和39年)5月号16日〜1965年(昭和40年)5月23日号 | |
コードNo | 19640516-19650523 | |
書き出し | 季節にしては少し冷えすぎる五月十六日の夜のことである。松山地方検察庁杉江支部の宿直員は検察事務官と事務員の二人だが、当夜は、事務官が平田健吉、四十歳、事務員が竹内平造という三十一歳の男だった。庁舎は松山地方裁判所杉江支所に隣合っている。この市は四国の西海岸に以前から漁港として栄え、現在、人口十五万をかかえていた。もともと城下町である。庁舎は二階の無い小学校の建物を連想させた。玄関を入った正面が事務室、その隣が検事室となっている。この恰好も小学校の教室や校長室と似通っていた。検事の公舎は庁舎の裏側にあった。その晩八時ごろ、二人は懐中電灯を照らして庁内を一巡し、事務室に戻った。事務室では残業の若い事務員が七時まで指を真黒にして謄写版を刷っていたが、そのあとは誰も居なくなっている。一回目の見回りを終えた二人は、湯呑場で茶を淹れて飲んでいた。 | |
作品分類 | 小説(長編) | 429P×1000=429000 |
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【帯】張りめぐらされた犯罪の見えない糸に戦いを挑む長篇推理小説 |