題名A | 市長死す |
読み | シチョウシス |
原題/改題/副題/備考 | 【重復】〔(株)講談社=遠くからの声(講談社文庫)〕 |
本の題名 | 青春の彷徨■【蔵書No0066】 |
出版社 | (株)光文社 |
本のサイズ | 新書(KAPPANOVELS) |
初版&購入版.年月日 | 1964/04/20●7版1978/12/20 |
価格 | 580 |
発表雑誌/発表場所 | 「別冊小説新潮」 |
作品発表 年月日 | 1956年(昭和31年)10月号 |
コードNo | 19561000-00000000 |
書き出し | 田山与太郎は九州のある県の小さな市の市長であった。人口十万、北部に海を持った旧い市である。田山市長は六十五歳であった。元陸軍中将という変わった経歴である。しかし今度の戦争には、実戦には出ていない。終戦まで、朝鮮南部の戒厳司令官をしていた。その田山与太郎が二年前に、その市の市長に当選した経緯や、地方政治的な手腕がどうであるかというような事情は、これから述べることには、あまり関係が無い。市長は、陳情のため年に五六回は東京に出張してきた。たいていは市議会議員が三名か四名、一緒についてくるのであった。八月の初めに、田山市長は、港湾問題の陳情でまた上京して来た。このときは港湾委員をしている市議会議員を三名と、秘書一名をつれていた。いつも定宿にしている目黒の蒼海ホテルに六日間滞在して、大体の用件も済んだので、明日は九州に帰任するという前の晩であった。 |
作品分類 | 小説(短編) |
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