松本清張_式場の微笑

題名A 式場の微笑
読み シキジョウノビショウ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)文藝春秋=馬を売る女〕
本の題名 松本清張全集 66 老公 短篇6【蔵書No0233】
出版社 文藝春秋(株)
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1996/03/30●初版
価格 1631円税込み:中古/アマゾン
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1975年(昭和50年)9月号
コードNo 19750900-0000000
書き出し 結婚披露宴は、都内のホテルで、午後四時からと金ぶちの案内状にはあった。生憎と朝から小雨が降っている。十月に入って、梅雨のような天候がつづいていた。案内状は、浜井、園村両家の連名になっていた。《−−今般、浜井源太郎長男祥一郎と園村鉄治二女真佐子との縁組み相整い、R銀行常務取締役室田恒雄殿御夫妻御媒酌のもとに、十一月八日午後四時より−−》杉子には新婦になるひととは縁がない。新郎になる浜井祥一郎とは高校・大学時代を通じての同級生で、大学のころは「縁滴会」でも一緒だった。「縁滴会」は大学内の茶道の会で、外からお師匠さんが出張してきた。案内状は父親の名だけしか書いてないから新婦になる女性の環境は杉子に少しも分からなかった。祥一郎の父親は、日本橋で商事会社の社長をしている。雑貨問屋としては老舗のほうで、父親が二代目、祥一郎が三代目をつぐことになっており、げんに彼は若いのに同社の専務兼営業部長だった。
作品分類 小説(短編)
検索キーワード