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松本清張_神と野獣の日 現場を撮る

No_0001

題名 神と野獣の日
読み カミトヤジュウノヒ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 神と野獣の日【蔵書No0088】
出版社 (株)角川書店
本のサイズ 文庫(角川文庫)
初版&購入版.年月日 1973/10/20●5版1975/01/30
価格 180
発表雑誌/発表場所 「週間女性自身」
作品発表 年月日 1963年(昭和38年)2月18日号〜1963年(昭和38年)6月24日号
コードNo 19630218-19630624
書き出し 早春の暖かい日である。ある広告代理業の社員が、日比谷公園横の祝田橋に車でさしかかって、信号待ちの停車をしていた。この交差点は、東京随一の混雑場所になっている。彼は、午後二時に製薬会社の広報部に行く約束になっているので、時間を気にしていた。腕時計は一時三十二分になっている。先方は忙しい人なので、約束の時間までに到着しないと留守になる。きょうは相当大きなスペースの注文が取れるので、なんとしてでも約束の時間内には着きたかった。しかし、蜿蜿とつづいた車は、いっこうに動き出そうとはしない。彼の車は、まだ日比谷公園の入り口近くにきている程度だった。運転手に聞くと、五回ぐらい信号が変わらないとだめだろう、という。運転手もあきらめ顔で、ポケットからタバコを出して吸っていた。
あらすじ感想 清張の作品では珍しい(唯一?)SFである。いま、はやりのSFパニックものである。

1960年代に書かれた作品であるが、けして、陳腐化していない。

いま、映画化されても、おもしろそうな作品である。

或る国から数発の核ミサイルが誤って発射された。

状況が深刻になるに連れて右往左往する権力者達。

庶民の動き、主人公(戸上佐知子)と恋人(木村規久夫)である二人のとる行動、現代でも十分つうようする、

エンターメントな内容である。

掲載が「女性自身」のせいか、恋人の二人が再会して、二人で結婚式をする場面には

清張のサービス精神が発揮されている。私には少々鼻につく。

恐怖から解放されたつかの間の喜びのあとに来る、誰も気がつかない、悲劇的最後。

最後の数行は、やっぱり清張だ!


2001年01月16日 記
(2014年05月12日:改)
作品分類 小説(長編・SF) 211P×550=116050
検索キーワード SF・核ミサイル・パニック・恋人・政府・権力者
 清張唯一の?SFパニック作品。
【カバー】「重大事態発生」−−−ある早春の午後、官邸の総理大臣に、うわずった声で伝えた。Z国から東京に向かって誤射された、5メガトンの核弾頭ミサイル5個。一発で、東京から12キロ以内が全滅。空中爆破も迎撃も、不可能。到着は・・・・・・後43分。真相は、ラジオ・テレビの臨時ニュースによって、全日本国民に知らされた!SFに挑戦した、巨匠松本清張の野心作。
登場人物
戸上 佐知子 G工業 の事務員。社員は50名ばかり。木村規久夫の恋人。
木村 規久夫 戸上佐知子の恋人

神と野獣の日