(原題=尊属)
〔(株)新潮社=岸田劉生晩景(1980/10/20)【女囚】として発表〕
題名 | 女囚 | |
読み | ジョシュウ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)新潮社=憎悪の依頼(新潮文庫)〕 (原題=尊属) |
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本の題名 | 岸田劉生晩景■【蔵書No0167】 | |
出版社 | (株)新潮社 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1980/10/20●初版 | |
価格 | 980 | |
発表雑誌/発表場所 | 「新潮」 | |
作品発表 年月日 | 1964年(昭和39年)8月号 | |
コードNo | 19640800-00000000 | |
書き出し | 法務事務官、馬場英吉は、ある県の刑務所長に赴任した。ここは女囚だけを収容している。女囚刑務所は全国で四ヵ所しかない。馬場は今度の転勤の前にもその一ヵ所の女囚刑務所長であった。だからこの赴任には別に心配はなかった。少なくとも最初に普通の刑務所総務部長から女囚刑務所の所長になったときのような不安はなかった。むしろ、今までの三年間の経験を生かして、新任地でも十分な成績をあげる意気込みを持っていた。馬場英吉はクリスチャンであった。日曜日ごとには、事情のゆるす限り教会に行った。前任地は田舎で、教会のある都市までは遠かったが、便利の悪いバスに乗って家族ででかけた。しかし、馬場英吉は、女囚たちを集めての訓話に決して聖書の文句を引用することはなかった。それが逆効果で反感をもたれることは十分に知っていたし、ナマに出すよりも自分の考えで咀嚼し、思索を凝らし、説話の工夫をするのが愉しみであった。当然のことに彼は心理学も勉強していた。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 22P×620=13640 |
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