題名 | 巨人の磯 | |
読み | キョジンノイソ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 巨人の磯■【蔵書No0031】 | |
出版社 | (株)新潮社 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1973/07/20●4版1974/09/30 | |
価格 | 700 | |
発表雑誌/発表場所 | 「小説新潮」 | |
作品発表 年月日 | 1970年(昭和45年)10月号 | |
コードNo | 19701000-000000000 | |
書き出し | 仙台で開かれた法医学関係の学会に出た清水泰雄は、帰京の途中、水戸で降りた。九月二十二日の夕方である。清水は東京のある大学の教授で、今年の十一月には満六十一歳になる。夏も終わった大洗海岸に清水がどうしてひとりで泊まる気になったかといえば、九州出身の彼は、未だにそこに行ったことがないからだった。東京に住むようになって長いが、いつまでもそこに行けると思っていたせいもあって、これまで訪れる機会がなかった。東京で暮らしていると、遠くからきた客の案内でもしない限り、列車で二時間くらいの近い場所に行くのが、ついさきに延びてしまう。一度は大洗に行ってみたいという清水の気持ちには二つの理由があった。一つは例の磯節である。明治の末に生まれた彼は、少年時代に聞いた歌といえば俗歌ばかりだった。流行歌というのが出現したのは二十歳ぐらいのときで、それまで祝ごとの席で唄われるのや、父の口ずさむのを聞くのが今では民謡とよばれる各地方の俗歌だった。 | |
作品分類 | 小説(長編) | 44P×580=25520 |
検索キーワード | 大洗海岸・巨人伝説・溺死事件・常陸国風土記・ダイダラ坊・マレヒト・法医学者・県会議員・視察旅行 |