松本清張_山峡の湯村

題名A 山峡の湯村
読み サンキョウノユムラ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)文藝春秋=馬を売る女〕
本の題名 松本清張全集 66 老公 短篇6【蔵書No0233】
出版社 文藝春秋(株)
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1996/03/30●初版
価格 1631円税込み:中古/アマゾン
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1975年(昭和50年)2月号
コードNo 19750200-00000000
書き出し 金山から北へ下呂温泉までの飛騨川沿いは昔から「中山七里」とよんでいる。昭和五年刊行の少々古い地理案内書には、こう出ている。「両岸の絶壁は愈々高く、花崗質斑岩の水の浸食に抗したものが、河床に乱立して時に白泡を吹かしめ、時に緑玉の如き深淵にその姿を映してゐる。沿岸は矗々たる杉林に、梢が煙のやうに見える落葉樹を交え、これに朝霧のかけた有様は一幅の山水画である。わけて山ふところ、屋根に石を置いた人家の二三が、その一部に点綴する三淵の附近は一層の妙趣がある。中山七里は、古来文人墨客の間には既に推賞されてゐたが、不幸にも交通に恵まれない飛騨山中にあるがため、人口に膾炙せられずして、今日に至ったのである。位置の必要なる必ずしも人と商賈とのみに限らない。」いまでも「中山七里」の風景はそれほど変わってない。ただ、高山線が岐阜から富山に通じ、国道四一号線がこれに沿っているので、金山から下呂までの二十五キロの間、北から杉や檜材を積んだトラックが多い。貨車も杉材を積んで名古屋方面に行く。バスや列車は下呂温泉や高山への観光団体客を乗せ、マイカーの往来も頻繁である。
作品分類 小説(中編)
検索キーワード 下呂温泉・飛騨・小藤素風・樺原温泉・浪曲師・福岡県宗像郡鐘崎・馬酔草(アシビ)・仙竜湖