題名 | 指 | |
読み | ユビ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 水の肌■【蔵書No0049】 | |
出版社 | (株)新潮社 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1975/10/10●初版1975/10/15 | |
価格 | 800 | |
発表雑誌/発表場所 | 「小説現代」 | |
作品発表 年月日 | 1969年(昭和44年)2月号 | |
コードNo | 19690200-00000000 | |
書き出し | まったく偶然のことから、見知らぬ同性どうしが知合いになり、特殊な友情を深めてゆく話は、陳腐な物語として顧られないものだが、「陳腐」が日常から発している以上、現実にその例が多い。福江弓子の経験がそれである。ある早春の雨の晩、弓子はつとめているバアからの帰りを客に車で送られた。ほかに同じ店の女の子が二人いたが、客は順々家に近くで降ろして回るつもりだった。これは女の側に有難迷惑な場合があって、いろいろな意味で本当の住所を知られたくない。弓子は神田あたりまで来たとき、此処で降ろしてほしいと客にいった。客は、おや、君のアパートは池袋のほうではなかったのか、と訊いた。他の女からでも聞いていたとみえる。いいえ、ここでいいのよ、弓子は隣で腰を浮かせた。客の向こうわきに坐っている女も、助手席の女も黙って微笑していた。弓子にいちばん気のある客は、道路に降りて傘をひろげた彼女に未練そうな視線を投げた。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 36P×650=23400 |
検索キーワード | 喫茶店・天使魚・バーのマダム・シーワワー・レスビアン・パトロン・巻き尺・犬・管理人 |