(改題=葡萄唐草文様の刺繍)
題名 | 葡萄草文様の刺繍 | |
読み | ブドウソウモンヨウノシシユウ | |
原題/改題/副題/備考 | (改題=葡萄唐草文様の刺繍) | |
本の題名 | 火神被殺■【蔵書No0005】 | |
出版社 | 文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1973/08/15●4版1975/04/05 | |
価格 | 750 | |
発表雑誌/発表場所 | 「オール讀物」 | |
作品発表 年月日 | 1971年(昭和46年)1月号 | |
コードNo | 19710100-00000000 | |
書き出し | ブリュッセルの十月半ばは寒い。夜になるとホテルのロビーの真ん中で焚き火をするくらいだから。−−−鉄製の大きな四角い炉があって、横に井桁に積んだ白樺やモミの割木を、周囲の客は椅子に腰掛けながら火が衰えると一,二本ずつ投げこむ。ロビーの天井には凝った意匠の大シャンデリヤが輝いているのに、客は赤い炎の色を好む。ホテルはアメリカ式建築で、広い幅の環状線にあたる坂道の上にあった。このならびは目抜きの商店街だが、その背後はすぐ中世風な協会や民家がならんでいる。ホテルの九階の北向きの窓際に立つと、緑青をふいた最高裁判所の円屋根が十七世紀の黒ずんだ巨大な建物の上をどっかと蔽い、鳩の群を紙吹雪のように遊ばせている。それが眼と平行のところで見えるのだ。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 42P×700=29400 |
検索キーワード | ブリュッセル・ホテル・テーブルクロス・バーのマダム・週刊誌・刺繍・みぬま |