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第三回清張マニア認定試験・中級(第2回)2007年12月21日

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中級(20問)
(試験時間30分/自動的に次の画面に変わります)

問題
問 1 ●松本清張が誕生した年の出来事で正しいものはどれか。

1.安重根が伊藤博文をハルビンで射殺

2.明治天皇死去。大正と改元

3.第一次世界大戦に参戦
問 2 ●松本清張の母の名で、次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.松本 たゑ(マツモト タエ)

2.松本 清子(マツモト キヨコ)

3.松本 タニ(マツモト タニ)
問 3 ●松本清張に15歳で給仕として就職するが、就職先の企業名の記述で、正しい記述はどれか。

1.北川電気企業社

2.高崎印刷所。

3.東洋陶器。
問 4 ●松本清張の小説で「大奥婦女記」(全12話)にないタイトルはどれか。

1.「乳母将軍」

2.「献妻」

3.「犬と予言僧」
問 5 ●松本清張の全集第一期全48巻「(株)文芸春秋社」でタイトルの間違っている記述はどれか

1.「松本清張全集 1 点と線・時間の習俗」

2.「松本清張全集 2 砂の器」

3.「松本清張全集 3 ゼロの焦点・Dの複合」
問 6 ●松本清張の小説で「赤」のつく題名で、実際にはないものはどれか。

1.「赤いくじ」

2.「赤い運河」

3.「赤猫」
問 7 ●松本清張の小説で以下の題名で、時代小説はどれか。

1.「乱気」


2.「鬼畜」

3.「笛壺」
問 8 ●松本清張のシリーズ作品「黒い画集」のタイトルで、そのタイトルが間違っているものはどれか。

1.「坂道の家」

2.「濁った陽」

3.「高台の家」 
問 9 ●松本清張の小説「溺れ谷」をキーワードで表すと以下の記述で正しいものはどれか。

1.三流経済雑誌・記者・トリ屋・映画スター・政界・砂糖業界・農林省・汚職・東京地検

2.ヒッピー族・精神病・トンボ眼鏡・福岡地方・洋画界・玄界灘・白水・ノイローゼ・能古亭

3.所沢街道・名刺入れ・箱根・湯河原・伊東・岩国・有名デザイナー・ペンダント・青梅街道
問 10 ●次の文章は、登場人物の描写である。作品名と登場人物名が正しいものはどれか。

>その男は、三十五、六ぐらいに見え、ひしゃげた制帽の下には髭がきたならしく伸びていた。
>毛穴が粗く見えるほど艶のない顔色をし、笑ったことがなかった。笑う相手がないせいか、
>いつも孤独な姿勢でたたずみ、にぶい目でぼんやり走っている外を眺めていた。


1.「黒地の絵」  前野留吉

2.「内海の輪」  前野留吉

3.「黒地の絵」  小関久雄
問 11 ●以下は松本清張の短編小説の書き出しの文章である。正しい作品名はどれか。

>三月三日の午前五時半ごろだった。夜明けの光が雑木林の向うに蒼白く射している。
>あたりはまだうす暗かった。朝靄が林の裾や遠い家なみ屋根の上に立っている。
>畠も、道も、白い霜が降りていた。郊外なので、まだ住宅地よりも田圃が多い。
>牛乳配達人が自転車に乗って、その道を走っていた。
>ハンドルに掛けた袋の中で、詰った牛乳壜が微かに鳴っている。
>配達人は一軒ずつ壜を置いていった。その住宅地を離れると、次の町に移るまでは
>両側が広い田圃になっていた。まだ藁屋根の百姓家が残っていて、霜はその上にも雪
>のように載っていた。歩いている人はいなかった。鳥が鳴いていた。牛乳配達人は、
>十七歳の少年だった。
>田圃道に降りた霜に自転車のタイヤを転がしていると、前方に小型自動車が一台
>止まっているのが眼についた。


1.「薄化粧の男」

2.「影の地帯」

3.「不安な演奏」
問 12 ●松本清張の小説で以下の人物が登場する作品名は、以下に揚げる題名のどれか。

●波津良太/小石泰一/佐久間喜介/淵上欽一/滝村源太

1.「葦の浮船」

2.「いきものの殻」

3.「不法建築」
問 13 ●松本清張の小説で原題が「死神」と言う作品の改題は以下に揚げる題名のどれか。

1.「青春の彷徨」

2.「水の肌」


3.「壁の青草」
問 14 ●松本清張の連作時代小説「紅刷り江戸噂」で以下の題名で間違っているものはどれか。

1.七種粥/虎

2.突風/見世物師

3.武術/役者絵
問 15 ●松本清張の小説で「山峡の...」の題名で実際にない題名はどれか。

1.「山峡の湯村」

2.「山峡の章」

3.「山峡の街道」
問 16 ●以下の文章は松本清張の著書の『二重葉脈』(腰巻き)の紹介文の一部である。
 「二重葉脈」(光文社(新書(KAPPANOVELS))/1975年78版)の文章はどれか。

1.イコマ電器倒産・・・・・・債権者会議では、下請け零細業者の怒りと不安が渦巻いていた。
  だが、社長の生駒以下会社の幹部は所在をくらましている。偽装倒産の疑いで動きだした捜査陣は、
  営業担当重役・前岡の水死体発見の報に色めき立つ。続いて経理担当重役・杉村の死体も岡山県の
  ダムの湖底から揚がった。捜査陣の前に姿を現して不敵に笑う生駒・・・・・・

2.貪婪な食欲をもって弱小者を食っては肥えふとってゆく権力者が、新たな獲物を狙って乗り出して
  ゆくとき、そのまわりには、欲望と野心をむき出しして、その成功の分け前にあずかろうとする男たちが
  ひしめいていた・・・・・・。
  
3.暗闇から飛び出してきた男が、いきなり硫酸をあびせかけた。夜鳥のような悲鳴をあげてうずくまる
  ふみ子・・・・・・。前衛水墨画の旗手として、一躍マスコミにクローズアップされた彼女はライバルの
  滝村可ず子を蹴落とすため、その美貌と肉体を駆使して画壇の権力者を籠絡し、着々とその名声を
  高めて行く。
問 17 ●松本清張の長編小説で「彩り河」の書き出しは以下のどれか。

1.
五月十六日の夜九時ごろである。この時刻、首都高速道路霞が関料金所は中だるみといった
状態である。十時半になると、料金所は乗用車で混み合いはじめ、十一時から一時までが混雑
のピークとなる。銀座のナイトクラブ、キャバレー、バー、飲み屋などの客が帰宅するころだった。
ラッシュになると、料金所の入口に車が無秩序に殺到する。ここはブースと呼ばれる赤塗りの、
細長い、ちょうど列車の車輌のような通行券授受施設が四つある。内回り線に二つ、外回り線
に二つ、そのいずれも全開となる。車の群れは南の官庁街の坂道を上がってくるのと、さらに東
の有楽町方面から国会議事堂前を回ってくるのとがある。車の四つの川がゲートの前で合流し
て溜まり、洪水のようになる。ドライバーたちは一秒でも早く料金所の前に近づこうとひしめき
合う。その前方がトンネルに入る下り坂となっているので、あたかも狭い下水管の入り口に溢
れた水が少しずつ奧へ吸い込まれて行くぐあいだった。料金所の年とった係員がてんてこ舞い
する時間帯である。

2.
井沢恵子は門を出た。この辺の路は暗い。小さな家が多かったが、それでも住宅街だった。
外灯がまばらに路を照らしている。恵子はタクシーの走っている通りへ向かって脚を大きく運ん
でいた。もう、バスは終わっているだろう。賑やかな通りに出るまで、まだかなりの距離があった。
風が冷たかった。その冷たさが熱した頬にこころよい。わずか紙一枚の手続きだった。いや、
判コを捺すことだけで米村恵子に変わったのだ。実に何でもない瞬間だった。この手続きのた
めに、なんと一年間、苦しんできたのだ。泪は出なかった。まだ怒りが胸にたぎっている。
たった十五分前までは夫だった木村和夫と姑のミネ子に、引返して怒鳴りたくなる。
大きな声で腹の底から罵倒したかった。が、彼女はその離婚届に判を捺したとき、
「長らくお世話になりました」と、冷静に両人に挨拶できた。理性に勝った動作だった。
その冷静さが今になって腹が立ってくる。

3.
十月も十日をすぎるとロンドンの日あしは急に短くなる。気温が下がり、婦人はカーディガンを
羽おり、年寄りはコートをきた。若者は格好よさをかねて革ジャンパーを着込む。ハイド・パーク
のポプラ、ミルク、トリネコなどが黄色く、間にカエデやカシの赤い葉が交じった。風が吹くと上の
梢から落葉がはじまる。公園の東側の鉄柵に沿う南北の大通りがパーク・クレーン、それを南
へ下がったあたり、東に分かれたややせまい道がカーゾン通りでである。以前は由緒ある家が
散在した静かな屋敷町だった。この地区一帯をメイフェアというが、高層建築のホテル・ヒルトン
はパーク・レーンに面したほうを正面出入口に、カーゾン通りとの角地にそびえる。八木正八は
ヒルトンの一階に降りて正面とは反対のほうに歩いた。ここはきれいな装身具や服飾品の売場
がならんでいる。突き切ると裏の出入口になった。
問 18 ●松本清張の小説で、演劇化されなかった作品名は以下の記述のうちどれか。

1.「いびき」

2.「左の腕」

3.「俺は知らない」

※2008年12月28日訂正(「いびき」は無宿人別帳ではありませんでした。)

問 19 ●次の記述は、松本清張の長編小説に登場する刑事の描写である。

>三十をいくつも出ていないように思われた。
>背は高くないが、がっしりとした体格で、なんとなく箱を連想させた。
>だが、顔は血色のいい童顔で、濃い眉毛とまるっこい目をもっていた。

登場する刑事の名前で、次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.三原紀一(点と線)

2.三木謙一(砂の器)

3.柚木甚一(張込み)
問 20 ●以下の記述で、「日本の黒い霧」のタイトルだけの記述はどれか。

1.下山国鉄総裁謀殺論/帝銀事件の謎/追放とレッド・パージ


2.革命を売る男・伊藤律/謀略朝鮮戦争/芥川龍之介の死

3.石田検事の怪死/スパイ”M”の謀略/陸軍士官学校事件


終了

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