『松本清張事件簿No05』
「松本清張と高木彬光」
論争のきっかけは、古田武彦氏の『「邪馬台国」はなかった』なのか
『小説推理』の推理小説『邪馬台国の秘密』なのか
http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/tyosaku13/yamai523.html
詳細は以上に詳しく書かれている。
松本清張との「論争」は『小説推理』(双葉社)1974年7・10月号(松本清張の指摘)、9・11月号(高木の反論)参照。
経緯に関しては、佐野洋『ミステリーとの半世紀』(2009年、小学館)277-281頁も参照。
高木彬光氏が作中人物「神津恭介」に古田氏の諸説を語らせた点が「盗用」に当たるかどうかが問題なのだろう
松本清張は
『「邪馬台国」はなかった』(古田著)と高木氏の本との類似個所が逐一指摘されるに及び....と、かなり具体的に
しかも徹底したもので有ったのだろう。
本来なら両氏(清張&高木)の言い分を理解した上でのジャッジが必要なのでしょうが、門外漢の私は紹介に
留めます。
作家にとって、無断転用(盗用)は致命的な問題です。
清張氏自身も「春の血」と「欺かれた女」(トーマス・マン)問題であらぬ嫌疑を掛けられたことがあります。
(内容的には少し違います)
天才神津恭介にとっては天災だったのか?
作家は創造の主です。その全てが、「独創」でなければなりません。
最後に、古田武彦氏が
【敵祭ーー松本清張さんへの書簡:第四回】で
>しかも、この当時、松本さんは確か推理小説家協会の会長だったと記憶しています。
>となればなおさら、同じ仲間を「批判」する。これは日本の社会の「しきたり」では、なかなかやりづらいこと
>だったのではないでしょうか。
>けれども、松本さんはけれん味なく、その主張を一貫されました。見事な光景でした。
と書かれています。
2013年4月24日 記
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