研究室_蛇足的研究

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2008年12月21日

清張作品の書き出し300文字前後で独善的研究!


研究作品 No_041

 【理外の理


研究発表=No 041

【理外の理】 〔小説新潮〕 1972年9月号

ある商品が売れなくなる原因は、一般論からいって、品質が落ちるか、競争品がふえるか、購買層の趣味が変わるか、販売機構に欠点があるか、宣伝に立ち後れがあるか、といったところに誰の結論も落ちつく。...◎蔵書◎巨人の磯 (株)新潮社●1974/09/30/4版より

ある商品が売れなくなる原因は、一般論からいって、品質が落ちるか、競争品がふえるか、購買層の趣味が変わるか、販売機構に欠点があるか、宣伝に立ち後れがあるか、といったところに誰の結論も落ちつく。商業雑誌も−−−その「文化性」を別にすれば−−−やはり商品の範疇にはいるにちがいない。したがってその種の雑誌の売行きが思わしくなくなった場合、上記の原則に理由が求められるだろう。不振の商品売れ行きを挽回するには、品質の向上を図って競争品を引き離し、購買層の動向を察知して商品のイメージ転換をなすことが先決である。他の販売機構の不備とか矛盾とかは、商品が好評を博するとあとを追って自ら改まるものだし、宣伝も生々としてくる。利潤が増大すれば経営者は宣伝費を奮発するようになる。この一般論は営利を目的とする雑誌にも適用されよう。

研究

書き出しの「ある商品」とは雑誌らしい。
最後の文章では、「この一般論は営利を目的とする雑誌にも適用されよう。」で出版関係の話しか?
書き出しでは登場人物は無し。
理外の理とは????

こと‐わり【理】
《「断り」と同語源》[名] 1 物事の筋道。条理。道理。「彼の言葉は―にかなっている」「盛者(じょうしゃ)必衰の―」
               2 わけ。理由。 「いみじう―言はせなどしてゆるして」

そして
りがい‐の‐り【理外の理】
普通の道理や常識では説明のできない、不思議な道理。