研究室_蛇足的研究

紹介作品・研究室の倉庫

2008年04月13日

清張作品の書き出し300文字前後で独善的研究!


研究作品 No_038

 【薄化粧の男


研究発表=No 038

【薄化粧の男】 〔婦人公論〕1961年3月号

三月三日の午前五時半ごろだった。夜明けの光が雑木林の向うに蒼白く射している。あたりはまだうす暗かった。......◎蔵書◎松本清張全集 1 点と線・時間の習俗(株)文藝春秋●1971/04/20/初版より

三月三日の午前五時半ごろだった。夜明けの光が雑木林の向うに蒼白く射している。あたりはまだうす暗かった。朝靄が林の裾や遠い家なみ屋根の上に立っている。畠も、道も、白い霜が降りていた。郊外なので、まだ住宅地よりも田圃が多い。牛乳配達人が自転車に乗って、その道を走っていた。ハンドルに掛けた袋の中で、詰った牛乳壜が微かに鳴っている。配達人は一軒ずつ壜を置いていった。その住宅地を離れると、次の町に移るまでは両側が広い田圃になっていた。まだ藁屋根の百姓家が残っていて、霜はその上にも雪のように載っていた。歩いている人はいなかった。鳥が鳴いていた。牛乳配達人は、十七歳の少年だった。田圃道に降りた霜に自転車のタイヤを転がしていると、前方に小型自動車が一台止まっているのが眼についた。

研究

登場人物は、牛乳配達人の少年17歳である。でも、直接は関係なさそうだ。
春は名のみの3月初旬。郊外の住宅地、それも駅までは相当ありそうな場所らしい。
意味深なタイトル「薄化粧の男」。
事件は始まった。小型自動車の中だ。
タイトルからしてホモセクシャルな男の登場と想像してしまう。

キーワード的に坂道、姉弟、美男(ホモっぽい)  そんな小説があった??
確認しました。「典雅な姉弟」だと思います。
「薄化粧の男」と共通点があるか....