研究室_蛇足的研究

紹介作品・研究室の倉庫

2005年10月15日

「清張」作品の書き出し300文字前後で独善的研究!。


研究作品 No_027

 【カルネアデスの舟板


研究発表=No 027

【カルネアデスの舟板】1957年 「文學界」 8月号

昭和二十三年の早春のことである。××大学教授玖村武次は、中国地方の或る都市に講演旅行に行った。......◎蔵書◎松本清張全集36/カルネアデスの舟板●(株)文藝春秋●1973/02/20(初版)より

昭和二十三年の早春のことである。××大学教授玖村武次は、中国地方の或る都市に講演旅行に行った。玖村は歴史科の教授である。彼をよんだのは、土地に教職員組合であったが、ひどく盛会で、会場に当てられたその大学の講堂は満員になった。聴衆の大部分はその地方の学校の若い教師たちで、遠いところから汽車で駆けつけてきた者も多かった。型の如く講演のあとには座談会がある。それも甚だ賑やかで、活溌な質問がいつまでもつづいた。玖村が解放されて宿に帰って寝たのは遅い夜更けであった。彼は宿の者に、朝七時に起こすことを命じた。朝ゆっくり寝る慣習の彼には珍しいことであったが、それは目的があったからである。玖村は、この講演を依頼された時から、大鶴恵之輔を訪ねることを思いついていた。大鶴恵之輔は玖村の恩師で、同じ××大学の前の教授であった。

研究

題名がすべてのようだが、その意味が分からない。盛況だった講演会は玖村武次の講演会後の行動で事件に導かれる。現実には、恩師である大鶴恵之輔を訪ねる事が解るだけで、今後の展開は全く解らない。恩師を訪問する目的も不明である。
別題が、「許者の舟板」となっていますが、何とよむのでしょう「サシャノフナイタ」?でしょうか。

さて、カルネアデスの舟板ですが。
カルネアデスは、古代ギリシャの哲学者の名前らしい。
その、カルネアデスが出した命題が「カルネアデスの舟板」と言われるものです。
 舟が難破し、海に投げ出された二人。流れてきた舟板に、二人が無理にしがみつくと、板は沈んでしまいます。板に捕まって救助を待てるのは一人だけ。この様な状態に遭遇した場合、自己の生命を守るために、たとえば、相手を蹴落として、殺してしまった。
その場合、罪は問われるだろうか?....とういうようなことです。

ま〜、「緊急避難」の考え方でしょう。したがって、この小説のテーマは「緊急避難」?