登場人物
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井上代造 |
板倉彰英の仲間だが、裏切り殺される。二人の関係は上司と部下ではなさそうだが、判然としない。留置場で崎津弘吉と知り合う。
井上が留置場に入ったのは目的があった。崎津弘吉の様な人間を捜していた。結果崎津弘吉を、を事件に巻き込む。
途中で事件から手を引かそうとするが間に合わなかった。青山に住む。妹は美沙子。体格が良く大きな男、三十五歳。 |
崎津弘吉 |
山梨県の落石(オチイシ)村出身。それなりに手広く営む硯職人の家に生まれたが、没落した。両親は死亡。従兄の崎津仙太郎に世話になっている。
警察の留置場で井上代造と知り合う。井上の誘いに乗り事件に巻き込まれる。最初は虚無的な人間として描かれるが美沙子と出会ってからは、好青年。 |
崎津仙太郎 |
崎津弘吉の従兄。硯職人。村田露石の依頼で硯を掘ることになる。 |
板倉彰英 |
板倉産業の社長、宝鉱山の社長でもある。岩村修平に取り入り、戦後のどさくさでのし上がり現在の地位を築く。数々の事件の首謀者。
井上代造には裏切られる。隠匿物資を手中にして一旗揚げたが、露石に強請られていた。 |
村田露石 |
板倉彰英に書道を教えている。実は、植田憲兵大尉。大原鉄一(伍長)は元部下。隠匿物資で板倉を強請っていた。
目的があってか崎津弘吉に親切だった。 |
上田警部補 |
捜査本部の刑事、小出刑事と山梨へ捜査に向かう。 |
小出刑事 |
捜査本部の刑事、上田警部補と山梨へ捜査に向かう。 |
杉田一郎 |
板倉彰英の腹心であり忠臣。板倉のために、多くの殺人事件に手を染める。最後は崎津弘吉との対決になり、坑道に没する。
がっちりとした体格で、三十前後、色が黒い。 |
小川警部 |
崎津弘吉が、 ルイス・ムチル殺害の容疑者で捕まった時の取り調べ担当。後に無罪放免となった崎津弘吉を目に掛けて助ける。 |
岩村修平 |
R産業株式会社の社長。板倉彰英の後ろ盾。 |
井上美沙子 |
二十三歳。井上代造の妹。井上代造の仕事内容など全く知らない。
事件に巻き込まれ、杉田一郎に拉致・監禁されるが、命は助かる。崎津弘吉に好意を抱く。 |
中野博圭(ナカノハクケイ) |
大臣も経験したことがある、保守党の一方の派閥の頭領。金目の話には嗅覚が利く。かって疑獄事件に巻き込まれたことがある。 |
鉄ちゃん |
大原鉄一、三十七歳。戦時中東京憲兵隊の伍長だった。戦後、郷里の鳥取県で農業を手伝っていたが、昭和三十年頃上京。殺される。
植田憲兵大尉は上司 |
クメさん |
鉄ちゃんの仲間。鉄ちゃんは浮浪者だが、クメさんは家族持ち |
黒田警備主任 |
大日建設株式会社の警備主任。崎津弘吉が、井上代造に紹介されて就職先の主任。崎津弘吉の上司。 |
門脇順平 |
硯職人、平三十二歳。風礼町塩川の在。硯石の原石を求めて川辺や落石をうろつく。偶然隠匿物を見つけるか?
硯職人の証拠になる胸の傷をえぐり取られ殺される。実兄が上京し被害者を確認した。 |
洋子 |
キャバレー“スイトピー”のホステス。某国の観光調査団団長、ルイス・ムチルにあてがわれた女。口封じに殺される。 |
八重子 |
キャバレー“スイトピー”のホステス。崎津弘吉が週刊誌のライターを名乗って情報を聞き出す。洋子の様子や井上代造が出入りしていた事など話す。 |
植田大尉 |
憲兵大尉。村田露石。大原鉄一(鉄ちゃん)は元部下。板倉彰英の書道の先生をしながら、板倉を強請っていた。
それなりの金を手に入れているはずだが吝嗇。 |
ルイス・ムチル |
四十六歳、やり手。某国の観光調査団団長。名目は観光調査団だが、「隠匿物資」の調査が目的。無類の女好き。殺される。 |