登場人物
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備前屋庄兵衛 |
花茣蓙の卸問屋。備前屋の主人。今年五十四になる。一向宗の熱心な信徒。一人娘のお露がいる。 |
お露 |
庄兵衛夫婦の一人娘。手代の岩吉と出来ている。親からは婿として亥助と祝言を挙げるように言われている。
それでも岩吉と蔵の中で密会をしていた。十九歳。 |
半蔵 |
備前屋の番頭。備中庭瀬の在で亥助と同郷。のれん分けを約束されているがお露に惚れている。あわよくば備前屋の身代をねらう。 |
亥助 |
備前屋の手代。主人の庄兵衛に認められ、一人娘の婿になる事を皆に披露される。しかし、お露と岩吉の仲には気づいている。
備中高梁の在、清七の後輩 |
清七 |
備前屋の手代三十歳。十三年奉公している。少しぼ~としていて後輩に先を越されても平気だった。お露に惚れていた。亥助と同じ備中高梁の在 |
岩吉 |
備前屋の手代。お露と出来ている。いつも蔵の中で逢い引きをしていた。蔵の鍵は岩吉が保管。 |
勘吉 |
備前屋の丁稚。備中足守の在。備前屋では、まだ六年にしか経っていない。 |
お秋 |
備前屋では最年長の女中。奉公して五年になる。台所回りをしている。 |
碇屋平造 |
岡っ引き。神田駿河台下に住む。「三人の留守居役」にでる惣兵衛の知り合いで切れ者。惣兵衛に柴亭魚仙を紹介される。 |
弥作 |
平造の子分。備前屋の事件の一報を平造に報せる。詮議にも積極的に首を突っ込むが平造は頼りにしているようだ。 |
亀吉 |
平造の子分。亥助の土左衛門を平造に報せる。 |
河村治郎兵衛 |
平造が使えている同心。あまり口出しはせず、平造に自由にやらせる。備前屋には平造より先に駆けつけていた。 |
柴亭魚仙 |
戯作者。惣兵衛の紹介で平造と懇意になる。ネタには困らないはずだ。 |