松本清張_父像

題名 父像
読み チチゾウ
原題/改題/副題/備考 ※松本常彦=資料紹介 
本の題名 松本清張研究 第二十七号【蔵書No0223】 資料紹介
松本清張全集未収録作品
出版社 松本清張記念館
本のサイズ B5
初版&購入版.年月日 2026/03/21●初版
価格 2000(本体2000円)
発表雑誌/発表場所 「桃の会」の機関誌(月刊)第一巻5号・十月号
作品発表 年月日 1954年(昭和29年)10月15日
コードNo 19541015-00000000
書き出し もう永い間、了介はナツメの実を食べない。以前は初夏になると、どの果物屋の店頭にも出たものだが、近頃は姿を見せなくなった。今ではずつと高級な果物が店頭にならべられるやうになつたので、あまり上品でないナツメの実など願られなくなつたのであろうか。
そういえばナツメの実は決しておいしい果実ではない。ぱす〜しいぇ果汁が少く、味が尠い。果汁が無いといふことは果実の生命をを失つてゐると同じことで、外国種の高級な果物が豊富になつた現在、都会の人々から忘れられたのはやむを得ないことかも知れぬ。
了介はこのナツメの実に一つの思い出がある。
その記憶は三十数年も以前の父につながるのである。



作品分類 エッセイ
検索キーワード