題名 | セピア色の詩風景 (再録・ふるさとの追想) | |
読み | セピアイロノウタフウケイ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 松本清張研究 第十五号(2014年)■【015:松本清張研究】(朝日新聞:1980年6月7日を再録) | |
出版社 | 北九州市立松本清張記念館 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 2014/03/31●初版 | |
価格 | 1852円+税(148円) | |
発表雑誌/発表場所 | 朝日新聞 1980年6月7日記念) | |
作品発表 年月日 | 1980年6月7日 | |
コードNo | 19800607-00000000 | |
書き出し | 小倉での「出会い」となると、わたしにとって人物より風景が先である。それも少年のころだ。一家がまた小倉に移ってきたのは私が小学四年生(天神島小学校)のときである。一時、旦過市場の裏のほうに居たが、ほどなく中島何丁目かに小さな家を借りた。当時の中島は小倉市外であり、篠崎村となっていた。借家のあるあたりは低地で、小倉製紙会社(現在の王子製紙)が紫川に流す、濁った白い廃液の通水路になっていた。とくべつな施設があるわけではなく地面を掘りくぼめただけで、わずかに両岸に土手らしいものをつくっていた。はじめは鼻をつく廃液の異臭にたまらなくなるが、馴れてしまうと、アク(灰汁。廃液のこと)の臭いにも豆乳(豆腐の絞り汁)のような甘さをおぼえるようになった。 |
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作品分類 | エッセイ | |
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