松本清張_木綿絣の絵 (再録・ふるさとの追想)

題名 木綿絣の絵 (再録・ふるさとの追想)
読み モメンカスリノエ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張研究 第十五号(2014年)【015:松本清張研究】(統合記念・天神島:1968年を再録)
出版社 北九州市立松本清張記念館
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 2014/03/31●初版
価格 1852円+税(148円)
発表雑誌/発表場所 統合記念・天神島
作品発表 年月日 1968年
コードNo 19680000-00000000
書き出し 天神島小学校には、私は五年生のときに他校から転入してきた。当時の校長は天野先生、担任は中村先生だった。天野校長は童顔のお年寄り〈のように子供の私には見えた。しかし、今の私の年齢よりは若かったと思う〉で、中村先生は鹿児島出身の色黒く、筋骨たくましい偉丈夫だった。鹿児島弁丸出しで、そのアクセントがおかしいと児童は笑った。たとえば、コジキ(乞食)のことをコツジキと発音された。それを笑ったのだが、もちろんコツジキのほうが古くて正し言い方である。乞食として歩くという動詞はコツジクである。そんなことを知らない小学生は今になって恥じている。地方には古語が残っているのである。
作品分類 エッセイ 
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