松本清張_偶数

〔【駅路】 傑作短編集(六):【偶数】〕

題名 偶数
読み グウスウ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 駅路 傑作短編集(六)【蔵書No0227】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ 文庫(新潮文庫)
初版&購入版.年月日 1965/07/30●36版1982/4/30
価格 400/古本 1円+送料250
発表雑誌/発表場所 『小説新潮』
作品発表 年月日 1961年(昭和36年)2月
コードNo 19560400-00000000
書き出し 城野光夫は、その会社の調査副課長をしていた。調査課というのは、その会社ではそれほど重要な課ではない。会社は一流だったが、調査課はいわば閑職に等しかった。そこでは統計を取ったり、資料を蒐めたりしているが、ほかの業種と違って、その会社では、そんな仕事は社業にあまり関係しない。蒐める資料といっても、ほとんどは印刷されたもので、会社が必要とするものは、そんな平凡なものではなく、もっと高度な、秘密的なものだ。そんなものは調査課などを通さず、上のほうで蒐めている。城野光夫は、この会社ではもう十五年を勤めていた。出た学校もそれほど悪くないのだが、どういうものか出世が止まっている。それは、一つには彼に社交性がないことだった。彼は生来孤独型で、自分で他人との交際から離れている。
作品分類 小説(短編) 33P×1100=36300
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