松本清張_私感・戦後史−−事件と報道操作−−(エッセイ)

題名 私感・戦後史−−事件と報道操作−−
読み シカン・センゴシ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 グルノーブルの吹奏【蔵書No0204】
出版社 (株)新日本出版社
本のサイズ 新書(KAPPANOVELS)
初版&購入版.年月日 1992/11/15●初版
価格 1800/古本830=(800+送料340)
発表雑誌/発表場所 「諸君!」
作品発表 年月日 1977年(昭和52年)6月号
コードNo 19770600-00000000
書き出し 表題のような活字になったが、内容は「わたしの経験的な感じの戦後史」というほどの意味である。それをあらわすようないい思案がないので、、とりあえずこの題にした。昭和二十六,七年だったと思う。まだ朝鮮戦争が終わっていなかった。そのころわたしは小倉市(いまの北九州市小倉区)の朝日新聞西部本社広告部につとめていた。ある日、新聞の社会面に、黒人兵の一人が市内のパンパン宿で有名銘柄のウイスキー(商品名を書くわけにはゆかない)を飲んでメチール中毒死を遂げたという記事が出た。有名な醸造会社が発売しているウイスキーに致死量のメチールアルコールが入っていたとは常識では考えられぬことだが、なにぶんにも警察署の発表なので、ふかくも考えずにすぐに記事にしたらしかった。社会部でもふかく考えずに、という裏には、警察ダネだから信用したのと、他社におくれてはならぬ速報主義があった。
作品分類 エッセイ
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