松本清張_繁昌するメス

題名 繁昌するメス
読み ハンジョウスルメス
原題/改題/副題/備考  
本の題名 失踪の果て【蔵書No0185】
出版社 (株)角川書店
本のサイズ 文庫(角川文庫)
初版&購入版.年月日 1987/10/25●再版1987/11/10
価格 340/古本 170(税5%込み)
発表雑誌/発表場所 「週刊文春」
作品発表 年月日 1962年(昭和37年)1月1日号
コードNo 19620101-00000000
書き出し 大宮医院は都下K郡B町にある。近ごろ、東京の市街が西に向かってふくれ、戦前には田舎だったこの辺も、今ではすっかり新開地になっている。団地アパートがほうぼうに建ち、駅の周辺に住宅がふえて、土地がひどい根上がりだ。大宮医院は、昭和二十三年ごろ、この土地に開業している。院長の大宮博は外科だが、ひどく評判が良く、現在ではすっかり近代的な建物に変わってしまった。ここに移った当座の大宮医院は、まだ藁葺きだったのである。内科の医者は多いが、外科はわりと少ない。それに、大宮院長の腕が優れていて、こういう辺鄙な町では惜しいくらいだという評判をとっていた。患者も多い。評判を聞いて、わざわざ都心から訪ねてくる人もある。大宮医院は裏に入院患者の病棟を造った。二十ベッドぐらいは楽に収容できる。
作品分類 小説(短編) 20P×510=10200
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