松本清張_理由

題名 理由
読み リユウ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 突風【蔵書No0037】
出版社 中央公論新社
本のサイズ 文庫(中公文庫)
初版&購入版.年月日 1974/03/10●28版2002/06/25
価格 571+税(5%)
発表雑誌/発表場所 「週間新潮」
作品発表 年月日 1961年(昭和36年)11月20日号
コードNo 19611120-00000000
書き出し 和島秀夫は妻の多樹子と結婚して八年になる。秀夫が三十八歳、多樹子が二十九歳である。和島は、近頃、この妻と別れたくなってきている。多樹子は、妻としてまず普通の出来なのだ。或いは水準以上かもしれない。容貌も、はじめ和島が好きになったくらいだから、そう妙なほうではない。教養もまずまずだ。女としては常識のあるほうだ。本も適当に読んでいる。和島が夜遅く帰ってきても、彼女はちゃんと起きて待っているし、ほかの女との外泊がばれたときも、世間の女房のように狂乱じみた振舞いもなく、また陰に籠もった仕返しもしない。どちらかというと寛容なのである。一番親しい友達などは、君の奥さんはよく出来ている。と賞めているくらいだ。こう並べると、妻としての多樹子は何の欠点もなく、いいことずくめのようだが、実はそれが和島にじれったいのである。
作品分類 小説(短編) 35P×640=22400
検索キーワード