松本清張_あとがき_「深層海流」の意図

題名 「深層海流」の意図
読み アトガキ_シンソウカイリュウノイト
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 31 深層海流・現代官僚論【蔵書No0115】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1974/07/05●2版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「文藝春秋」
作品発表 年月日 1962年(昭和37年)2月号
コードNo 19620200-00000000
書き出し 私は去年(一九六一年)いっぱい『文藝春秋』に「深層海流」という小説を書いた。これについては、私としては多少の「あとがき」的なものを書く必要を感じている。一九六〇年いっぱい、私は同時に「日本の黒い霧」と題したシリーズを書きつづけてきた。これは、占領下における日本に起こった奇妙な事件をテーマとして、できるだけ正確と思われる資料を使い、事件の奥に潜んでいるものの追求に努めた。下山事件に始まって朝鮮戦争で終わっている。私が「日本の黒い霧」を書いた動機は、下山事件を初めさまざまな事件の実際の姿が未だ究明されておらず、たとえ警察側による発表や裁判の判決があっても、納得の出来ない部分がいろいろあることに気づいたからだ。占領史というものが、将来、必ず現代史の一部として誰かによって書かれるに違いないが、私としては現在の時点に立ってメモ的な役目を果たすと同時に、自分なりの推定もしくは思索をしたつもりだ。
作品分類 あとがき 5P×1000=5000
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