松本清張_砂の審廷 小説東京裁判

題名 砂の審廷 小説東京裁判
読み スナノシンテイ ショウセツトウキョウサイバン
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 22 屈折回路・象の白い脚【蔵書No0103】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1973/08/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋」
作品発表 年月日 1970年(昭和45年)12月号〜1971年(昭和46年)9月号
コードNo 19701200-19710900
書き出し ずっと前、わたしが購入した古本のなかに、「戦災日記」と題した個人のノートがあった。粗悪な紙の学童用ノートブック三冊にインキの字がびっしりと詰まっている。ぱらぱらとページをめくると、昭和二十年四月から七月までの間、空襲下の東京の生活が書かれているので、あとで何かの参考になると思い、ほかの本といっしょにしまっておいた。わたしは空襲時の東京を知らない。いつだったか、ある日、ほかの本を探すついでにこのノートを取出して開いてみた。「昭和二十年四月十日午前二時、憎ムベキ米機ノタメ戦災ヲ受ク。百七十機来襲。東京都牛込区喜久井町三丁目八一番地 蒲田義孝 五十一年 同 常子 四十七年 同町高橋精三君宅ノ斡旋ニヨリ、同番地長生館二階ニ移転ス。同君宅ト共同炊事生活ヲ始ム。新小川町罹災者二万余名。町内役員ノ労苦思フベシ。観世能楽堂、長生館等ハ収容ノ尤ナルモノニシテ、一部ハ江戸川アパートニモ入レリ」第一ページはこういう書き出しだった。蒲田義孝はこのノートの筆者である。 
作品分類 小説(中編) 93P×1000=93000
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