松本清張_地の骨

題名 地の骨
読み チノホネ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 松本清張全集 16 地の骨【蔵書No0097】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/09/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「週刊新潮」
作品発表 年月日 1964年(昭和39年)11月号9日号〜1966年(昭和41年)6月11日号
コードNo 19641109-19660611
書き出し 女中がきて、盆に載せた紙を出した。女は支度を終わって、横で眼を伏せている。稲木は五千円札を一枚女中に出した。「ありがとうございます」眉のうすい年増女中が頭を下げた。「ただ今、おつりを持って参ります。.....それから、お供が参っておりますけれど」「つりは出がけに貰います」部屋から女中がで出たあと、女と稲木は起ち上がった。稲木は軽く女舌先だけにふれる。口紅がつかないように用心した。「今度いつ?」と、女は閉じた眼をあけて訊いた。「さあ.....こちらから電話をするよ」「お忙しいの?」「入学試験がはじまるんでね」稲木は試験と言って、自分の提げている鞄をたしかめた。この部屋に入って、一度も中を開いていない。試験問題を作る作業で今朝の二時まで自宅で起きていた。女はまだ何か言いたそうだったが、出口のほうで女中の下駄の音がしたので離れた。
作品分類 小説(長編) 465P×1000=465000
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【帯】金と女と地位をめぐる大学教授の醜い内幕をあばいた長篇