題名 | 水の炎 | |
読み | ミズノホノオ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 水の炎■【蔵書No0077】 | |
出版社 | (株)光文社 | |
本のサイズ | 新書(KAPPANOVELS) | |
初版&購入版.年月日 | 1963/07/20●123版1976/11/01 | |
価格 | 600 | |
発表雑誌/発表場所 | 「女性自身」 | |
作品発表 年月日 | 1962年(昭和37年)1月1日号〜12月17日号 | |
コードNo | 19620101-19621237 | |
書き出し | 暑い日がつづく。草間泰子は、その暑い毎日を電車に揺られて、L大学まで通った。大学は六月の末から暑中休暇にはいる。だから、七月の初めに学生が大学にゆくのは奇妙だった。草間泰子は、たしかに、L大学の経済学部学生だが、普通の学生ではなかった。彼女は、四年前から、この大学の通信教育を受けている。泰子は、四年来、ずっと、L大学から自宅に送られてくるテキストで勉強している。しかし、この夏休みには四十日間、必ず学校に出て、教師から直接講習を受けねばならない。通信教育の規定ではそうなっている。この講習期間をスクーリングと呼んでいる。草間泰子は、停留所に降りて、そこからL大学の正門までの坂を上ってゆく。朝の陽が、もう日中の暑さを思わせた。強い光が道にきざんだ石だたみに当たっている。素子が、その道を上がってゆくと、彼女と前後して、必ず同じような講習学生が校門に入ってゆく。それは青年も多かったが、女性も少なくはなかった。 | |
作品分類 | 小説(長編) | 341P×800=251200 |
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