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松本清張_骨折 (グルノーブルの吹奏)

No_0058

題名 骨折(グルノーブルの吹奏)
読み コッセツ(グルノーブルノスイソウ)
原題/改題/副題/備考  
本の題名 断崖 松本清張初文庫化作品集A【蔵書No0208】
出版社 (株)双葉社
本のサイズ 文庫(双葉文庫)
初版&購入版.年月日 2005/12/20●2版2006/1/30
価格 630(600+30)
発表雑誌/発表場所 「小説現代」
作品発表 年月日 1988年(昭和63年)1月
コードNo 19880100-00000000
書き出し 「一九××年、グルノーブルで全ヨーロッパ冬季オリンピック大会が催された。そのとき長距離スキー競争の一人が『東側の密使』であることはフランス治安当局にわかっていた。しかし、『西側』の連絡相手が不明だった。競争がはじまった。マークされた選手はビリから二番目を走っていたが、人目のないコースで負傷して倒れた。ビリの西側選手はそのまま走ってゴール点でこれを報告した。救護団がただちに現場へ出動し、報道陣も従った。治安当局は、ビリの西側選手が東側選手に化けた密使の連絡相手と推定。
あらすじ感想 第9回世界推理小説会議に招かれた作家10人に依頼した「グルノーブルを舞台にした世界推理小説コント競作」として発表されたものである。依頼は原稿用紙(400字詰め)2枚半以内。
作品は正確に数えると504文字あった。(句読点、「」等も含める)
求めに応じて書かれた物であるから舞台は当然グルノーブル。
あらすじを書くと、本文よりあらすじの方が長くなりそうである。
スパイ物。『東側の密使』が如何にして「西側」の連絡相手に連絡するのかを推理する。
舞台はオリンピックの長距離スキー競技。
登場人物 1.ビリから二番目を走る選手(マークされていた東側の選手)途中で負傷して倒れる。
       2.西側の選手。最下位を走っていたが、1.の選手を抜いてそのままゴール。
         ※ゴール後これを報告。救護団が現場に向かう。報道陣も救護班に同行する。
       3.救護団の医師(イギリスの選手団付き医師班の一人)
       4.グルノーブルの警察官

治安当局は、ビリで走っていた西側の選手が連絡相手と推定した。
スキーの距離競技は、途中あまり人影のないコースを走る。しかし、監視の目はあるはずだ。
結論は...これを書くと面白くないのでここでは書きませんが、登場人物が少ないので容易に推定できます。

短いだけに、起承転結が明確で面白い。
起=競技が始まる(グルノーブル冬季オリンピック)
承=レースは終盤へ、選手が骨折
転=救護団が到着。医師の看護
結=一枚の写真から...

シュートショーの世界である。おそらく清張最短篇作品であろう。




2013年12月16日 記
作品分類 小説(短編) 1P×500=500
検索キーワード 冬期オリンピック・スキー・距離競技・西側・東側・医師・警察官・グルノーブル
登場人物−骨折
東側の選手 ビリから二番目を走る選手。マークされていた東側の選手
西側の選手 最下位を走っていたが、負傷した東側の選手を抜いてゴールする。ゴール後報告をする
救護団の医師 イギリスの選手団付き医師班の一人
警察官 グルノーブルの警察官。写真で連絡相手を特定する。

骨折