松本清張_幻華

題名 幻華
読み ゲンカ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 幻華【蔵書No0003】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1985/05/01●初版
価格 980
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1983年(昭和58年)2月〜1984年(昭和59年)6月
コードNo 19830200-19840600
書き出し 三月下旬の夜十時すぎであった。銀座八丁目の並木通りを、背の低い小肥りの男と、丈の高い痩せた男とが、タコ焼きの屋台の横で邂逅した。双方でその半顔に射す色つきの光に面貌を認めた。「よう、チュウさんじゃないか」「やあ、ゴーちゃんか」酒の入った声で云い合った。チュウさんと呼ばれた長身痩身のほうは豊かな髪だが闇の中でも目立つくらいに白く、年齢六十二、三、垢ぬけのした服装は、この界隈のこの時刻、ざらに多いどころかの会社の役員か部長といった風采であった。実際その後に肩をゆらさせている三人の部下を従えていた。「近ごろ、景気はどうだい、チュウさん」ゴーちゃんと呼ばれた男がきいた。
作品分類 小説(長編) 254P×500=127000
検索キーワード 銀座・一流クラブ・北陸の小さな町・東邦映画・凋落・歌行燈・誠心堂製薬・ブルーボネー
【帯】銀座の女たちの華麗な夜の戦い巨匠が描くネオン街の美しき蝶たちの生態